朝、鏡をのぞく。
ちょっとくすんだ顔色にため息がこぼれる。
最近、なんだか心も重い。
ふと、ニュースで見た言葉が浮かんだ。
「腸内フローラ」
腸と心はつながっている。
これまで研究が進んでいなかった分野だそうだが、
今では明らかになっている。
腸が元気だと、心も軽やかになるらしい。
セロトニンという物質が腸で作られていると聞くと、少し驚く。
幸せのホルモン。
あれは腸から生まれるのだ。
腸内フローラという響きが可愛らしい。
お花畑のような名前だ。
実際、腸の中にはたくさんの菌がいて、
それぞれ役割をもって生きている。
食べたものがそのまま彼らのごはんになる。
発酵食品を摂るといいとか、
野菜をたっぷりとるといいとか、
よく耳にするけれど、
その理由が少しだけわかった気がする。
冷蔵庫の中を見る。
キムチがあった、ヨーグルトもある。
野菜は少し足りないけれど、
近くの八百屋さんに行けば手に入る。
まずはできることから。
腸をいたわる。
それが心をいたわることにもなる。
昨日まで気づかなかった心の奥のもやもや。
それが、腸の声かもしれないと考えると少し面白い。
腸が笑えば、心も踊る。
今日はそんなことを思いながら、台所に立つ。
温かいスープがゆっくり煮えていく音。
くつくつ、くつくつ。
明日は今日より、軽やかになる気がした。
今日も、みんなの人生が輝きますように。