きびしい寒さの中で

朝、玄関のドアを開けた瞬間、
頬に鋭い冷たさが刺さる。
「あ、大寒波が来てるな」と思う。
空気はピンと張り詰め、
手袋なしでは指先がすぐにかじかんでしまう。

立春を過ぎたとはいえ、
冬はまだ本気を出している。
テレビの天気予報でも
「10年に一度の寒波」と繰り返していた。
でも、そんな寒さの中でも、
ふとした瞬間に春の気配を感じることがある。

スーパーの野菜売り場には、
ふきのとうや菜の花が並びはじめた。
道ばたの梅のつぼみも、
よく見ればほんのり色づいている。
寒さに震えながらも、
春は確実に近づいているんだなと思う。

年齢を重ねると、
毎年のことを「当たり前」と思いがち。
でも、同じ冬も、同じ春も二度とこない。
今年の冬は今年だけのもの。
寒さの中にも、
春への期待を見つけられたら、
少し気持ちが温かくなる。

きびしい寒さが続くけれど、
春は必ずやってくる。
ほんの少し目をこらせば、
寒さの向こう側に小さな春が見えてくる。

今日も、みなさんの人生が輝きますように。